まえがき(2019.4.29)

 十年ぶりにブログを再開することにしました。
 昨年の十一月より書き始めている日記をアップしていこうと思います。
 日記を書こうと思い立ったのは、最近、五十路を目前に、物忘れがひどくなっていると感じ始めたからです。人の名前が出て来なかったり、同じ本を何冊も買ってしまったり、初見だと思って観た映画が既に観たものだったりと、特に直近のことが、すんなり覚えられなくなっている。昔の記憶だって、断片的だったり、なかなかすぐには引き出せなくなったという自覚がある。これまでいろんなことを覚え、考えてきたはずなのに、そうした自分の軌跡や源泉や証しみたいなものが、次第次第にかすれて、消えようとしている。そんな喪失感と危機感を抱くようになりました。そして、とりあえず記憶が荒んでしまう前に、記録しておくことにしようと考えたのです。
 だから、日記とは言いながら、思いついたことは何でも書き残しておこうという気でいます。その日にあった印象深い出来事だけではなく、それに刺激されて引き出された昔話や感想やぼやきなども、書けるだけ書いておこうと思っています。言わば備忘録、回想記兼思索帖。毎日書く気はありません。しばしばあちこちに脱線し、長々しく続いたりするので、その日のうちにはとても書き切れないのですが、何とか書き継いでいくつもりです。
 ただし、いささか差し障りのあることも結構書いていると思うので、少し間を置いてから、アップすることにします。